"日本には日本のアウトドアがある"(山井氏)
"ぶんぶくは似て非なるものだ"(菊地氏)
株式会社スノーピーク 代表取締役社長 山井氏は、ぶんぶくの制作に関して、"間に合った"という言葉を使っていた。
氏の考える"ぶんぶく"のスペックを実現させるためには、先述したように、固い鋳物を加工する非常に高度な技術を必要とする。
現在伝統工芸に携わる匠は年々減少しており、ぶんぶくのスペックを作り出せる技術を持つ工房はほとんどないという。
そんなぶんぶくの制作にあたる菊地保寿堂は400年の歴史を誇り、第十五代当主である菊地氏は、その歴史におごることなく、海外にもその技術を積極的に発表している。
ぶんぶくで一番最初に作ってみたい料理は? の問いに菊地氏は真っ先に飯をあげる。
非常に繊細な食品である米を"ぶんぶく"ならば旨く炊ける。にこやかにぶんぶくを語る氏の瞳の奥に確固たる自信を感じた。
勿論ぶんぶくは米を炊くのみでなく、煮物も大の得意科目である。
「煮物も格別ですよ。これで芋煮なんてやったらもう・・・」
「実はカレーライスもいけます・・・」
ぶんぶくの完成を本当に楽しみにしているのは、実はこの食いしん坊の二人なのではないだろうか。
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